「フェイクニュース」って誰が流すんだっけ、NHKさん? | 偕楽園血圧日記

「フェイクニュース」って誰が流すんだっけ、NHKさん?

 今日は「あおぞらクラフトいち」の2日目だが、お約束のように曇っていて天気が良くない。
 昨日見に行っておいてよかった。

 だがあちこち顔を出してちょっと無理したのか、おかげで朝から胸が痛い。
 今日は簡単に。

(2024/03/29の記事、「自然」は必ずしも体にいいものではない)で取り上げた小林製薬のサプリの事案、(2024/04/09の記事、化学者だって知らないんだから)で書いたように、素人が「プベルル酸! プベルル酸!」と騒いでいるのだが、

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 プベルル酸以外に複数化合物 紅麹サプリ、通常含まれず 厚労省など

 小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」配合サプリメントを摂取した人から健康被害の訴えが相次いでいる問題で、厚生労働省と国立医薬品食品衛生研究所(川崎市)は19日、原料サンプルを分析した結果、「プベルル酸」の他に複数の化合物が一部に含まれていたと明らかにした。
 同サプリに通常は含まれていないという。
 小林製薬の検査では青カビ由来の天然化合物プベルル酸が検出されていた。プベルル酸は抗生物質としての特性がある一方で、毒性が強く、サプリには通常含まれない。
 厚労省は、同社から過去3年分の紅麹原料のサンプルの提供を受け、健康被害の報告のあった昨年6~8月に製造されたサンプルを同研究所で分析していた。その結果プベルル酸のほか、少なくとも二つの化合物が確認された。同省などは、健康被害の原因解明を急ぐ。
 時事通信 4/19(金) 17:50

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「別の物質」も出てきたぞ。

 だから「化学も医学も知識がない人間」は騒ぐなといっているのに。

 当たり前だが、この「二つの物質」もまだどういうものかは分かっていない。もう一度書くが、「スタートレック」に出てくるトリコーダーのような便利なものは21世紀にはまだ発明されていないのだし。
 そしてこの二つの物質が特定されてもいないのだから、それが人体にどういう作用をするものかも、今はまだわからない。
 もちろん、それがどういう経路で入ったのかもわからない。

 マスメディアが「すでに廃止した工場を大阪府が視察した様子」を流すものだから、

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プベルル酸が産生されるような不衛生な生産体制生産環境で作っていたから死亡者がでたのではないか?。プベルル酸の毒性が強かろうが弱かろうが特定のものを摂取したひとに問題がでた。紅麹を生産してるのは小林製薬だけではない。他のところではなぜ問題がおこらないのか?。小林製薬の工場が汚いからだろ?。薬のなかにはなぜ効果があるのかよくわからないものって結構あるし昔からある薬なのに新しい副作用が最近わかったなんてのもある。「影響は不明」だから~といっていい話ではない。
小林製薬は最初の報告がはいってから1カ月放置していたというのも問題だ。

 毎日新聞4/19(金) 20:47配信「紅麹サプリから検出『プベルル酸』とは 人体への影響は不明」コメント欄より

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 勝手に「不衛生な工場」と空想を膨らませる人も出てくるが、たとえば原料である米に「これらの物質だけ」が入っていた場合、小林製薬としては認知のしようがない。「カビ毒」は「カビ」とは違い目に見えないのだから。

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「紅麹」サプリ摂取後に死亡した3人、前立腺がんなどの持病…患者95人中3人が重い腎障害

 小林製薬(大阪市)の「紅麹(べにこうじ)」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題で、厚生労働省と日本腎臓学会は9日、記者会見を開き、サプリ摂取後に死亡した5人のうち3人に前立腺がんなどの持病があったことを明らかにした。同学会は、健康被害を訴えている患者95人の症状などの調査結果も公表し、3人が重い腎障害のため人工透析を受けていたことがわかった。
 死亡した5人の情報は同社が厚労省に報告したもので、年齢は70歳代が3人、90歳代が1人、不明が1人だった。性別は女性3人、男性2人だった。
 うち3人は持病が明らかになり、それぞれ▽前立腺がん▽血液がんの一つである悪性リンパ腫▽高血圧・高脂血症・リウマチだった。死因は明らかになっていない。残る2人の持病の情報は不明だという。
(後略)
 読売新聞オンライン 4/9(火) 16:47

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 こういう情報もあるのだから、とにかく今は「原因究明」に全力を尽くすべき時で、「正義感満たしのバッシング」をしている場合ではない。

 だというのに、せっかく症状などできちんとした報道をしている読売新聞は、

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 読売新聞記者が談話捏造 紅麹関連記事巡り

 小林製薬の紅麹(べにこうじ)製品取引先の反応などを扱った記事で、原稿をまとめた読売新聞大阪本社社会部主任(48)が、談話を捏造(ねつぞう)していたことが17日、分かった。

 記事を取材・執筆した岡山支局の記者(53)も、取材先が発言していない内容と知りながら談話の修正や削除を求めなかったという。読売新聞社は同日付夕刊で「重大な記者倫理違反であり、関係者、読者の皆様におわび致します」とし、関係者を処分する方針を明らかにした。
 同社によると、捏造があったのは6日付夕刊の「紅麹使用事業者 憤り」と題した記事。小林製薬の取引先企業の社長の発言として「突然『危険性がある』と言われて驚いた」「補償について小林製薬から明確な連絡はなく、早く説明してほしい」と記載したが、実際には発言していなかった。社長の写真説明にも誤りがあった。
 社会部主任は「
岡山支局から届いた原稿のトーンが、(小林製薬への憤りという)自分がイメージしていたものと違った」と説明し、支局記者も「社会部が求めるトーンに合わせたいと思った」と再取材をしなかったという。 
 時事通信 4/17(水) 17:22

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 こんなことをやってしまうとは。

 読売新聞は令和六年能登半島地震の際にも「自販機破壊が~」という記事を書き、「あれは許可を受けて緊急避難的に行われたものだ」と指摘されたことがある。
 その時に「誤報でした」と謝った記事を見た覚えがないのだが……「そういう体質がまた」というところだろうか。

 とはいえ、この手の「小林製薬に憤慨する関係者というストーリー」は読売一社が書くものではなく、

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 紅こうじ原料、使用企業が苦境 風評被害に苦慮、小林製薬問題

 小林製薬(大阪市)の紅こうじ原料を使用した企業が、商品の自主回収や製造停止を余儀なくされるなど苦境に立たされている。原料を使用する173社などから健康被害の報告はなかったが、企業側は紅こうじ自体に対する風評被害対応に苦慮。公表が遅れた小林製薬の姿勢に不満も上がる。

 健康食品の製造、販売を手がける「ZERO PLUS」(福岡市)は、小林製薬の原料を使用した新商品のせんべいを3月に発売したが、直後に一連の問題が発覚。市場に出たほとんどの商品を自主回収した。
 小林製薬は1月に健康被害を把握しており、担当者は「もう少し早く情報共有してくれていれば、発売前に対応することができた」と、公表の遅さに苦言を呈する。
 伝統食品にも影響が出ている。沖縄の発酵食品「豆腐よう」をつくる「海洋食品」(沖縄県浦添市)も、小林製薬の原料を使用しており生産を取りやめた。
 別の紅こうじを使えば最低3~4カ月で再販できるが、消費者からは紅こうじ自体を懸念する声も聞かれ、再販のめどは立っていない。
 共同通信 4/17(水) 15:38

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 他社も同様で。

小林製薬は1月に健康被害を把握しており、担当者は『もう少し早く情報共有してくれていれば、発売前に対応することができた』」といわれても、因果関係が分からない時点で動くのは「死んだ人は全員米を食べていた」レベルの話で、さすがにそれは無理筋過ぎる。
 今なら「原因究明のために流通を停めておくべきだ」といえるが、その時点ではあまりに情報が少なすぎる。イギリスで起きたアフラトキシンによる七面鳥の大量死のようにことがあればともかく、一月ごろには医者でもまだ、他の食品との兼ね合いも考えて「とりあえずサプリを停めて様子を見ましょう」ぐらいしか言えない、

 まったく。こうやってマスメディアがバッシングするよう方向で誘導しようとするから、(2024/04/09の記事、化学者だって知らないんだから)の橋下氏のようなアジテーターが出てきて世間を煽り、それで頭を沸騰させる人間が出てくる。
 それは原因解明の時には一番邪魔になるのだ。余談に凝り固まった人間はたとえ事実が明らかになっても、自分が作り上げたストーリーに合致しないと、よく聞く「疑惑は深まった」という言葉を口にするようになるばかりで。


 ところで、衛星放送を見ていると、この「機能性表示食品」の通販コマーシャルがやたらと入る。
 曰く「~が報告されています」。
 私はこのナレーションを聞くたびに「誰がどこに報告したんだよ」と突っ込んでしまうのだが、さて、

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 機能性表示食品見直しへ消費者庁が初会合 報告ルール整備など焦点に

 小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」入りサプリメントの健康被害問題を受け、消費者庁は19日、サプリを届け出ていた機能性表示食品制度の見直しに向けた検討会の初会合を開いた。構成員の意見などから健康被害情報の報告ルールの整備などが焦点となりそうだ。
 消費者安全調査委員会の委員長も務める中川丈久・神戸大教授が座長に選出された。制度導入時に検討会の委員だった合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所名誉所長や神村裕子・日本医師会常任理事らも参加した。
 機能性表示食品は、食品表示法に基づき2015年に導入された制度。事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などを届け出れば健康効果を表示できる。合田氏は「機能性表示食品制度は事業者の性善説に基づいて作られた」と指摘。健康被害情報を把握した小林製薬の公表が2カ月ずれ込んだ点を鑑みて「食品でトラブルが起きた時に情報提供があまりにも遅く、国に届け出ないことも多い」と報告体制の不備に言及した。
 品質管理体制の確保についても意見が相次いだ。機能性表示食品制度のガイドラインでは「適正な品質管理の規範(GMP)」の認証を推奨していたが、小林製薬の大阪工場は取得しておらず、神村氏は「GMPにきちんと入っていれば途中で成分がおかしいということは把握できたはずだ」との私見を述べた。
 消費者庁は検討会の意見を踏まえ、5月末をめどに見直し案をまとめる。

 厚生労働省も食品の安全確保を定める食品衛生法の観点から新たなルール作りを検討する。武見敬三厚労相は3日の衆院厚労委員会で「新たなルール化が必要だ。食品衛生法において、いかなる施策が必要か検討したい」と述べている。
 焦点になるのは、サプリの位置づけだ。医薬品では、重大な副作用を製薬企業が把握した場合、国への報告が医薬品医療機器法で義務付けられているが、食品全般を対象とする食品衛生法に義務規定はない。
 与党幹部は「新たに健康食品といった枠組みを作ることが考えられる」と指摘。被害発生時の報告義務や服用に関する制限なども焦点となりそうだが、法的な規制となれば見直しに時間がかかる可能性がある。【阿部絢美、肥沼直寛、宇多川はるか】
 毎日新聞 4/19(金) 19:48

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 政府がこういう方向で動き出している中、あまりにバッシングをし続けると、クロスオーナーシップでつながっているテレビ局が大口スポンサーを失ってしまう可能性もあるのだが。どうする新聞メディア?

 そしてそういうコマーシャルで稼いでいるタレントたち?


 本日の「秘密基地」。

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「中銀カプセル」内に入れる催し 大型連休、和歌山県立近代美術館で


(写真、朝日新聞デジタルより。カプセル内の様子。2023年9月12日、和歌山市吹上1丁目、榊原織和氏撮影)

 建築家の故黒川紀章氏が設計し、老朽化のため解体された「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」の居室カプセルを展示する和歌山県立近代美術館が、大型連休中に2日間、居室内を公開する。21日から予約を受け付ける。
 カプセルタワーは東京・銀座に1972年に建てられた。直方体の居室カプセル140個を積み重ねたような形で、奇抜な外観や設計思想が注目を集めた。黒川氏が設計した県立近代美術館はカプセルの一つを譲り受け、昨夏から展示してきた。
>10平方メートルほどのカプセル内には、ベッドやエアコン、ユニットバスなど最小限の生活必需品を備える。来館者はこれまで窓から中をのぞけるだけだったが、大型連休中の29日と5月5日は中に入って見学できる。
 公開に際し、来館者への解説を担当する井上芳子学芸課長は「狭いような、居心地のいい茶室のような空間。黒川建築の現物に触れられる貴重な機会」と呼びかける。
 公開は各日とも午前10時〜正午と午後1〜4時。4人程度までの1組ずつ案内し、制限時間は10分。定員は各日20組(先着順)。無料。名前、住 所、電話番号、希望日時、人数を伝え、電話(073・436・8690)かメール(press@momaw.jp)で申し込む。
 27日〜6月30日には、かつてカプセルタワーに住んでいたタレントでDJの「コスプレ声ちゃん」による、タワー解体とカプセル再生の様子を記録した写真展も開催される。(榊原織和)
 朝日新聞デジタル 2024/04/19 10:15

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 いいなぁ、楽しそうだなぁ。
 こういうものは「男のロマン」をくすぐってくれて、子供でなくともわくわくする。

「変な形のビル」といえば、不忍池から見えるところにも「変な形のビル」が建っていた覚えがある。
 調べてみると「ソフィテル東京」という名のホテルだったらしい。
 これも「中銀カプセルタワービル」と同じく「メタボリズム」の旗手、菊竹清訓氏の設計だという。
 氏はあのエキスポタワーの設計者ということで、なるほどあのタワーも「変な形」をしていたな。
 この「ソフィテル東京」の方は2007年にもう解体されてしまったというが、ニュースを見た覚えがない。今ならどう扱われただろう。


 そういえば水戸芸術館のシンボルタワーも「変な形のビル」といえばいえるのだが、これを設計した礒崎新氏は、ウィキペディアによると「一九六二年頃の私の思考を整理してみると、私はメタボリズムと明瞭に逢遇している」と言っていたらしい。
 なるほど。