「知る」の邪魔をしないで | 偕楽園血圧日記

「知る」の邪魔をしないで

 すごくいい天気になった。だが暑いな。
 千波湖の方に名残の桜を見に行きたかったのだが、朝から動くと胸に痛みがくるので、一日横になってごろごろしていたよ。


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「天下、本当に取りました」 作品舞台の大津でファン歓喜 本屋大賞


(写真、毎日新聞より。本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」の宮島未奈さん=東京都港区で2024年4月10日午後2時44分、和田大典氏撮影)

 成瀬が天下を取った――。10日に発表があった2024年本屋大賞で、大津市が舞台の「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)が選ばれた。全編に「滋賀愛」があふれる作品の快挙に、地元で喜びの声が上がった。【飯塚りりん】

 同作は、大津市在住の宮島未奈さん(40)のデビュー作で、地元・大津を愛する主人公の少女、成瀬あかりの日常を描いた青春小説。閉店した西武大津店、県立膳所高、ときめき坂など県民になじみ深い場所が多く登場する。
 同作が話題となっていることを受け、JR膳所駅では、びわ湖大津観光協会が1日から「ようこそ!成瀬の住むまち、びわ湖大津へ!」と書かれた幅約7メートルの大看板を設置。本屋大賞発表を控えたこの日、地元の平野学区まちづくり協議会のメンバー計5人が訪れた。
(中略)
 本屋大賞は全国の書店員が投票で売りたい本を決める。地元の本屋「TSUTAYA BOOKSTORE Oh!Me 大津テラス店」では、1月下旬から同作の特設コーナーが設けられ、大賞に決まると店員が「本屋大賞受賞」の帯に一斉に切り替えた。店員の八原敦子さん(50)は「西武百貨店の閉店を惜しむ気持ちなど、作者の滋賀愛に読者が共感したのではないか。さらに多くの人に手に取ってもらえるように発信したい」と意気込んでいた。
 作中で成瀬の通う膳所高2年の田村絢乃さん(16)は「図書室では予約待ちでなかなか読めなかったが、やっと読んだ時は光景が目に浮かぶようで楽しかった。地元のPRにもなるのでうれしい」と喜んだ。
 毎日新聞 4/10(水) 19:37

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 水戸はもう、駅ビルの川俣と京成の丸善、茨大前のBOOKACEぐらいしか本屋が無くなってしまったのでとんと見かけることもなくなったのだが、まだこんな賞やっていたのか。

 盛り上げようというのはいいのだが、あまり本屋に「これを読んで!」といってこられるのは、ちょっと嫌だな。
「どの本を読むか」は自分で決める。本屋さんにはとにかくひたすらいろいろな本を置いてほしい。昔の川俣ビルのように物理の専門書や哲学書から文庫・コミックス・雑誌まで。山ほど。

 あまり本屋が自己主張をするようになると、


https://twitter.com/marumerumerume/status/1775134610005078068

 こんなことをする店も出てくることになるから。
 わざわざ手作りの腰巻を作って本にかぶせる。これは「商品の棄損」にならないのだろうか?

 安倍内閣時代には「反安倍本」ばかりを平積みにした店もあった。
 もう「そういうのいいから」
 昔から「今週のベストセラー」的な感じで平積み本にポップをつける店はあったが、ちょっとやり過ぎ。

 まったく。
(2023/12/07の記事、彼らは「差別」を道具に使う)でも書いたが、「もっと知って! 勉強して!」という勢力ほど、こういうことが「知られる」のを嫌がる。

 産経新聞社には、

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 トランスジェンダーに関する本の発売中止要求 産経新聞出版に脅迫

 産経新聞出版(東京都千代田区)が4月3日に発行予定の「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」をめぐり、「トランスジェンダー当事者への差別を扇動する」として出版の中止を求め、応じない場合は販売書店に放火するなどと脅迫するメールが産経新聞に届いた。産経新聞東京本社広報室が取材に明らかにした。

 同書は米ジャーナリストの著作の翻訳本。KADOKAWAが「あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇」の題で出版予定だったが、「差別本だ」との批判の中、昨年12月に中止した。
 産経新聞によると、脅迫メールが今月19日に同社に届き、29日には同様のメールが届いたという連絡が複数の書店から産経新聞出版にあった。メールはドイツのドメインが使われていたが、日本語で書かれていた。
 同社は30日、「多数の人が集まる書店を脅すなど許されない行為です。悪質な圧力に屈することなく、書籍は発行します」などとするコメントを発表した。威力業務妨害の疑いで29日に警視庁に被害届を出したという。(後藤遼太)
 朝日新聞デジタル 3/30(土) 18:40

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 こんな脅迫まで届いているというのだ。

 ドイツといえば(2023/01/09の記事、なんと罰当たりな)で中部空港に爆弾を仕掛けたという脅迫があった国だが、あれは国際電話という胡麻化しにくい回線で英語によるものだった。
 メールは発信元のドメインの偽装はもっと簡単。しかも日本語というのだから……。

(2012/04/05の記事、数字の意味をみるようになりたい)で取り上げた東日本大震災の瓦礫処理で金沢市長に脅迫文を送った犯人は、結局見つからなかった。
 今度はきちんと、捕まえてほしい。そして背後関係なども含めて発表してほしい。
「もっと知って! 勉強して!」といっているような人たちも「あれは自分たちとは関係ない」と堂々と言えるように。


 それにしても、本屋の存続は難しいなぁ。

 政府は、

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 本無料配送禁止の反アマゾン法、経産相「研究価値ある」 書店振興で

 斎藤健経済産業相は12日の閣議後会見で、「街の書店」が減少している状況をめぐり、フランスで導入された本の無料配送を禁止する「反アマゾン法」など海外の取り組みを「研究する価値はある」と語った。同省は5日に「書店振興プロジェクトチーム(PT)」を設置。近く書店関係者らを招いて車座対話を開く。
 PTは、斎藤氏の肝いりで設立された。斎藤氏が幹事長を務める「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」が昨年4月に提言を発表。日本の書店は不公正な競争環境にさらされているとして「ネット書店による送料無料化や過剰なポイント付与」などの問題を指摘したうえで、本の無料配送を禁止するフランスの「反アマゾン法」や、学校の図書館などが本を購入する際、地域>の書店を優先する韓国の取り組みなどに言及していた。
 会見で斎藤氏は、書店はあらゆるジャンルの本が見られる「一覧性」があるとして、「様々なジャンルの本との出会いがある。人の視野を広げる点では、ネットなどに比べて強みがある」と述べた。
 朝日新聞デジタル 3/12(火) 13:00

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 こんなこともいっているが、「相手を不便にしてこっちを守ろう」というはまさに「利権」の発想そのもの。
 それよりも「本屋の利点」をもっと上げて勝負するようにすべきだ。
 例えば、「売れ筋」以外の本が店にはほとんど入らず、頼んでも取り寄せに数週間かかる現状を改革するとか。

 東京に住んでいる人にはわからないだろうが、地方ではこの「本が入らない」「数が少ない」は結構「あるある」なのだ。
 それをほったらかしにしたまま「本屋大賞! 読んでね」とされても……。


 本日の収穫。

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「万博たけのこ」今年の販売終了 整理券を求めて、連日長い行列


(写真、朝日新聞デジタルより。太陽の塔近くで販売された「万博たけのこ」=2024年4月12日午後1時30分、大阪府吹田市、渋谷正章氏撮影)

 大阪府吹田市の万博記念公園周辺で収穫される「万博たけのこ」の販売が12日、同園自然文化園「太陽の広場」で今年の最終日を迎えた。
 毎年3月下旬〜4月中旬、竹林保全を目的にボランティアが掘り、期間限定で売っている。当日午前に採っているため、アク抜きがいらず、香り豊かなのが特徴だ。
 おいしさが口コミで広がり、20年目を迎えた今年も連日、整理券を求める長い行列ができた。次回販売は来年までお預け。客の一人は「(来年の)大阪・関西万博に行くかどうかは迷っているけれど、たけのこは必ず買いに行きます」。
 朝日新聞デジタル 2024/04/13 10:15

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 万博会場のあった線利休良はもともと竹藪が多く、春になるとあちこちで筍が採れるが、へえ、売っていたのか。

 いいねぇ「朝採り」。
 しかしこんな記事にまで「次回万博ディスり」を入れなくては気が済まない朝日新聞ときたら。


 わが水戸市でも、六月になると偕楽園で採れた梅の実の販売をやっている。

 今年も、



 梅の木に実が着きはじめているようで。

 今はまだ「カリカリ小梅」程度の実、どこまで大きくなってくれるかな?